
行政書士とは
行政書士は、行政書士法(昭和26年2月22日法律第4号)に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署(国の行政機関や都道府県庁、市区町村役場、警察署等)に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書・契約書等の権利義務に関する書類の作成、財務諸表・図面等の事実証明に関する書類の作成、行政不服申立て手続き代理等を行います。
行政書士が独占する業務に加え、他の資格で独占されていないものも仕事とすることができるため、非常に広い業務範囲を持ち、業務の種類は数千種類以上と言われています。
行政書士になるには
行政書士になるには
・行政書士試験に合格した者
・弁護士、弁理士、公認会計士又は税理士となる資格を有する者
・国や県、市町村等の公務員として行政事務を担当した期間が通算して20年以上(高等学校を卒業した方等は、17年以上)になる者
で、日本行政書士会連合会の行政書士名簿の登録を受けることによって、行政書士になることができます。
上記の「行政書士となる資格」を有する方でも、次のいずれかに該当する場合(欠格事由)は、法律上「行政書士となる資格」がないという扱いになります。
・未成年者
・成年被後見人又は被保佐人
・破産者で復権を得ないもの
・禁固以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者
・公務員(※1)で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
・行政書士法第6条の5第1項の規定により、登録の取り消しの処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
・行政書士法第14条の規定により、業務の禁止の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
※1 特定独立行政法人、特定地方独立行政法人又は日本郵政公社の役員又は職員を含む
行政書士試験
受験資格
年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験できます。
ただし、試験に合格しても欠格事由に該当する者は、行政書士の登録ができません。
試験内容
筆記試験によって行われます。
出題の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式で、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」は択一式です。
記述式は、40字程度で記述するものを出題されます。
試験科目 | 試験内容等 |
---|---|
行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題) | 憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題され、法令については、例年4月1日現在施行されている法令に関して出題されます。 |
行政書士の業務に関し必要な基礎知識(出題数14題) | 一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解の中からそれぞれ出題され、法令については、例年4月1日現在施行されている法令に関して出題されます。 |
試験日及び時間
毎年1回、11月の第2日曜日 午後1時から午後4時まで
受験手続
受験申込みには「郵送による受験申込み」と「インターネットによる受験申込み」の2つの方法があります
出願期間
例年7月下旬頃から8月下旬頃です。
令和6年の場合は
郵送
令和6年7月29日(月)から令和6年8月30日(金)まで 当日消印有効
インターネット
令和6年7月29日(月)午前9時から令和6年8月27日(火) 午後5時まで
受験手数料
10,400円
試験地・試験会場
行政書士試験研究センターが掲げる「試験地・試験場一覧」を参照。
各都道府県に1つは会場があります。
合格基準
次の要件のいずれも満たした者が合格となります。
① 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
② 行政書士の業務に関し必要な基礎知識科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③ 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
(注) 合格基準については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。
合格発表
試験日翌年の1月下旬頃です。
令和6年度試験の場合は、令和7年1月29日(水)午前9時
合格率等
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成19年度 | 65,157人 | 5,631人 | 8.64% |
平成20年度 | 63,907人 | 4,133人 | 6.47% |
平成21年度 | 67,348人 | 6,095人 | 9.05% |
平成22年度 | 70,586人 | 4,662人 | 6.60% |
平成23年度 | 66,297人 | 5,337人 | 8.05% |
平成24年度 | 59,948人 | 5,508人 | 9.19% |
平成25年度 | 55,436人 | 5,597人 | 10.10% |
平成26年度 | 48,869人 | 4,043人 | 8.27% |
平成27年度 | 44,366人 | 5,820人 | 13.12% |
平成28年度 | 41,053人 | 4,084人 | 9.95% |
平成29年度 | 40,449人 | 6,360人 | 15.72% |
平成30年度 | 39,105人 | 4,968人 | 12.70% |
令和元年度 | 39,821人 | 4,571人 | 11.48% |
令和2年度 | 41,681人 | 4,470人 | 10.72% |
令和3年度 | 47,870人 | 5,353人 | 11.18% |
令和4年度 | 47,850人 | 5,802人 | 12.13% |
令和5年度 | 46,991人 | 6,571人 | 13.98% |
令和6年度 | 47,785人 | 6,165人 | 12.90% |
特定行政書士とは
行政書士法の改正により、日本行政書士会連合会が実施する研修を修了した行政書士は、行政処分に対して審査請求、再調査の請求、再審査請求等の行政不服申し立て手続きの代理が行えるようになりました(行政書士法第1条の3第1項第二号)。
この研修(特定行政書士法定研修)の課程を修了し考査に合格すれば、特定行政書士となります。
特定行政書士法定研修
受講資格
行政書士(行政書士名簿に登録されている者)
研修及び考査
所定の期間内(8月から9月中旬)にe-ラーニングにて18時間程度の講義を受講し、考査(10月下旬の日曜日)に合格することが必要です。
考査はマークシートによる30問択一式問題です。
申し込み
申込期間は例年4月から6月中旬くらいです。
受講料
8万円(テキスト代含む)
合格後
特定行政書士である旨が付記された行政書士証票が発行されます。
裏面に特定行政書士徽章の文字及びナンバーが刻印された特定行政書士の徽章(バッジ)を購入することができます。サイズが行政書士の徽章より大きいです。年1回の受注販売となっており、金額は9,180円程度です。タイタック式のみでネジ式はありません。