青森県五所川原市の行政書士・海事代理士の原田拓です。
行政書士に何か依頼しようとする時、皆様はどうやって選びますか?
今回は完全主観ですが、行政書士の選び方について書きます。
行政書士に依頼するチェックポイント
行政書士が本物かどうか
まず確認しないといけないのは、その行政書士が本物かどうか、「非行政書士」ではないか見極めるということです。
行政書士証票で確認する
行政書士は「行政書士証票」、行政書士の補助者は「補助者証」というカード型の顔写真付きの証明書を持っていますので、それを提示してもらうのも一つの手です。ただ、「行政書士証票を見せてくれ」というのも気が引けると思いますし、廃業後も行政書士証票を所持している可能性もゼロではありません(行政書士証票を無くしたと行政書士会に報告し、そのまま廃業したパターン)。
行政書士会員検索で確認する
一番確実なのは、日本行政書士会連合会のホームページにある「行政書士会員検索」を使用することです。
ただし、補助者は検索はできませんので、注意してください。
会員検索ページ:https://www.gyosei.or.jp/members-search
例えば、私が本物の行政書士かどうか確認しようと思ったら、
日本行政書士会連合会の会員検索ページを開き、
「氏名」に原田、「事務所の所在地」を青森県とします。

下までスクロールして、「ご利用上の注意の内容を確認し同意しました」にチェックをし、検索ボタンをクリックすると、検索結果が表示されます。
検索結果の右端の「詳細」をクリックすると、事務所所在地など詳しい情報も見れます。

名刺は誰でも作れるので、不十分です。
ホームページも勝手に作れるので不十分です。過去に行政書士であったものが、廃業後もそのままホームページを残している場合もあるので注意してください。青森県にも今日時点で存在するので、何かしらの対応をして欲しいです。
依頼する業務を遂行する権限があるかどうか
行政書士の中でも一部の行政書士しか行ってはいけない業務があります。これから依頼する業務を行う権限があるかどうかを確認するのも重要です。
自動車の出張封印(丁種封印権)
車のナンバープレートの取り付け・封印手続を運輸支局に車を持ち込まずに行うことができます。
全ての行政書士ができるわけではなく、県の行書士会の研修受講と考査修了した行政書士のみ行うことができます。
都道府県の行政書士会のホームページに「丁種封印会員名簿」や「丁種会員名簿」等の名称で公開している行政書士会もあるので、確認することができます。
私は今現在青森県行政書士会の名簿に載っていませんが、昨年の12月に修了したので、今年の3月以降くらいには名簿に載ると思います。
青森県行政書士会 丁種封印会員名簿:https://aomori-kai.gyosei.or.jp/unso/
申請取次行政書士(入管業務)
入国管理局に対して、在留資格の申請や在留カードの受け取りを外国人本人に代わって行うことができる行政書士です。代わりと言っても[代理人]ではなく[取次者]として行います。
申請取次行政書士になるには、日本行政書士会連合会の研修受講と考査修了が必要になり、3年ごとの更新が必要です。
名簿等は公開されていないので、申請取次行政書士が所持する入国在留管理局長発行の「届出済証明書」というカード型の証明書で確認する必要があります。
特定行政書士(行政不服申立)
特定行政書士は、行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可などに関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、その手続について官公署に提出する書類を作成することができます。
特定行政書士になるには、日本行政書士会連合会の研修修了と考査修了が必要です。
特定行政書士は、行政書士証票にその旨が記載され、行政書士会員検索の検索結果にも記載されています。
行政書士の名前や事務所名でネット検索してみる
「ここに頼もうかな」という行政書士がいたら、名前や事務所名でネット検索してみてください。
まだ候補の行政書士がいない段階でしたら、「青森 行政書士」「五所川原 行政書士」「つがる市 行政書士」などとお住まいの地域名や、依頼する内容(例えば車庫証明、相続、建設業許可など)もキーワードに含めて検索すると良いです。
SNSの有無を調べる ※おすすめ
これはかなりおススメです。
宣伝目的や日常投稿など投稿内容は様々ですが、行政書士でSNSをやっている人は結構います。私もあまり投稿しませんが、InstagramとFacebookは公開しています。X(旧twitter)はやっていません。
依頼しようとする行政書士のSNSを見つけたら、見てみることをお勧めします。
ホームページは基本的に格好よく作りますから、どの行政書士でも外面が良く見えます。
しかし、SNSはホームページ上ではわからない、行政書士がどのような人で、どういう生活を送っているのかがなんとなくわかります(広告目的だけのSNSはわかりません)。
特に、X(旧twitter)があったら必ず見てみてください。投稿内容からその行政書士の品位がわかります。
誰かと喧嘩してたり、言葉遣いが悪かったり、訳が分からないことを言っていたり、同業者として見られるのも嫌な投稿もあります。X(旧twitter)がネット上でバカ発見器と揶揄されるのもわかります。
これから大事な書類を預けたり、高額な報酬を支払うのに値する人物かどうか判断できると思います。
ホームページの有無を調べる
ホームページは取扱サービスや料金、相談料の有無について調べることができます。
青森県では、司法書士さんや税理士さんのホームページは少なく、行政書士は他の士業に比べればホームページ作成率が高いと思います。
そのような状況の中で、ホームページを作成していない行政書士は、これ以上の新規依頼は必要ない、ほぼ閉業状態、などの理由だと思いますので、ホームページがない行政書士は最初から除外した方が良いと思います。勇気を出して電話して「その業務は取り扱っていない」とわざわざ言われる必要はありません。
また、ホームページが無いと、電子申請や電子定款といった技術に対応できるのか疑問符がつきます。
取扱業務を確認する
ホームページには取扱業務が載っていると思いますので、これから相談する依頼について対応しているか確認してみましょう。
ただ、行政書士の作成できる書類は多いので、取扱業務に載っていないことも多いとは思います。
○○専門行政書士(相続専門行政書士、入管専門行政書士)と謳っていなければ、問い合わせしてみていいと思います。
料金表の有無を確認する
行政書士の報酬はそれぞれの事務所で自由に決めることができるのですが、残念ながら料金表を載せていない行政書士も多いです。
行政書士は行政書士法第10条の2により、事務所に報酬の掲示義務はありますが、ホームページ上での義務はなく、行政書士職務基本規則第24条2項に努力義務が規定されているだけです。
行政書士法 第10条の2
(報酬の額の掲示等)
第十条の二 行政書士は、その事務所の見やすい場所に、その業務に関し受ける報酬の額を掲示しなければならない。
2 行政書士会及び日本行政書士会連合会は、依頼者の選択及び行政書士の業務の利便に資するため、行政書士がその業務に関し受ける報酬の額について、統計を作成し、これを公表するよう努めなければならない。
行政書士職務規則 第24条
(報酬額の掲示)
第24 条 行政書士は、その職務に関し受ける報酬額表を本会の定める基本様式に準じて作成し、事務所の見やすい場所に掲示しなければならない。
2 行政書士は、前項の報酬額表の掲示に加えて、インターネットを利用した方法等により公表するよう努める。
なので、ホームページに料金表を載せなくても問題は無いのですが、個人的には、お寿司屋さんの時価じゃあないんだから、載せないってどうなの?と思います。
確かに、行政書士業務は同じ業務であっても、その案件ごとに難易度や手間、収集する書類の数が異なりますので、一概に○○円とは言えません。いざ、実際に業務に着手してからも、調査してみたらお客様から伺っていた内容と異なるため、再度見積を出すこともあり得ます。なので、料金表には「○○円~」と記載し、お客様との相談時には、見積から料金が増える可能性があることを行政書士が説明していると思います。
ただそれでも、全く料金表を載せないのは料金の規模感もわかりませんし、ホームページを公開して、サービスの案内をしているにもかかわらず料金を表示しないのは、他の業種じゃ考えられなく不誠実だと思います。
高く取れそうな依頼者からは高く報酬を取る、そのような魂胆が感じられます。
このような事務所は、あらかじめ電話で料金を聞いてから、相談の約束をした方が良いと思います。料金を聞かずに面談をして、見積出されても、「面倒だからこの事務所に任せていいか」という思考になってしまうと、相場と大きく離れた金額で契約してしまうかもしれません。もしくはその場で契約せず、一度持ち帰るべきです。
ちなみに、日本行政書士会連合会が行政書士の報酬額の統計をとってまして、5年に一度更改されます。
前回が令和2年度の調査でしたので、今年中に新しい報酬額の統計が公表されると思います。
業務によっては回答数が少なく、参考にならないものもありますが、料金の平均や最頻値を参考にしてみると良いでしょう。
余談ですが、行政書士との行政書士業務についての契約は、クーリングオフできません。
特定商取引に関する法律 第26条1項8号ニ
(適用除外)
第二十六条 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
ニ イからハまでに掲げるもののほか、他の法律の規定によつて訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売における商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約について、その勧誘若しくは広告の相手方、その申込みをした者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益を保護することができると認められる販売又は役務の提供として政令で定めるもの
特定商取引に関する法律施行令 第11条
(他の法律の規定によつて購入者等の利益を保護することができると認められる販売又は役務の提供)
第十一条 法第二十六条第一項第八号ニの政令で定める販売又は役務の提供は、別表第二に掲げる販売又は役務の提供とする。
別表第二
十五 行政書士が行う行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第一条の三第一項又は第一条の四第一項に規定する役務の提供及び同法第十三条の三に規定する行政書士法人が同法第十三条の六に規定する業務として行う役務の提供
相続専門行政書士の報酬
相続専門行政書士または相続業務で特に気を付けなければいけないのが、報酬をパーセンテージで取る事務所です。こういう事務所は料金表をホームページに載せないかもしれません。
税理士さんは、相続税の申告報酬としてパーセンテージでもらう事務所が多いかもしれませんが、行政書士の相続業務でのパーセンテージ報酬は少数派です。
補助金申請は要件を満たしていても、申請書の作り方で採択結果が変わるため、成功報酬としてパーセンテージでもらうことが多いと思いますが、それに対して相続業務は相続人間で遺産分割協議さえまとまっていれば、ほぼほぼ完遂できる業務です。お金を取れるところからはなるべく取るという発想の事務所です。被相続人が残してくれた遺産をパーセンテージで取られることのないよう、注意しましょう。
話はそれますが、そもそも司法書士法人を母体としている行政書士法人などは別ですが、個人の行政書士事務所で相続専門行政書士を謳うのは、個人的に好ましく思っていません。
っというのも、不動産登記がある時点で司法書士の力を借りる必要がありますし、相続人に未成年者がいる時点で特別代理人の選任が必要になるので、司法書士の力が必要になります。
要するに行政書士だけで完結できないことが多いんです。逆に司法書士が出来ない相続業務(未登記の届出や自動車登録など)もありますが、「専門」って名乗るであれば、行政書士だけだとちょっと弱いと思っています。
相談料の有無を調べる
相談料を取るかどうかは、その事務所で異なります。
・初回相談料無料
・相談料30分5000円
・ご依頼いただければ相談料無料
私は相談料を原則いただきませんのでわかりませんが、相談料を取る事務所は「相談料がかかります」と事前に宣言するかどうかわからないので、あらかじめ確認しておくべき事項だと思います。
HP更新はあるか
HPを作ったものの更新が止まっている事務所は現在営業しているのかどうか不明です。
もちろん忙しくて更新していないだけかもしれませんが、少なくとも年一回は「年末年始の休業」についてのお知らせくらいは出せるはずです。更新していない事務所は、行政書士から懲戒処分を受けていたり、営業していないという可能性も頭に入れておくべきです。
新人行政書士なのに「選ばれる理由」があるのはおかしい
登録して間もない行政書士のホームページに「選ばれる理由」という見出しで、何個か理由書いているのを見かけるのですが、私は「初っ端から嘘つくのか」と思って見てます。
職歴に行政書士事務所での補助者経験があって、お客様がついてきたならわかりますが、勤務経験がないなら、
・嘘をついてる(誇大広告)
・前の勤務先の口コミを使っている
・本当なら行政書士登録前に非行政書士行為を行っていた
の3択になると思いますので、どちらにしても正直信用は出来ないです。依頼しないようにしましょう。
青森県内にもこのような行政書士は存在してまして、行政書士登録日からわずか10日程度で、
・「長年の実績を持つ行政書士が~」
・「当事務所で対応してきた例」
・「〇〇事務所のおかげで許可が取れました、ありがとうございます」
などの記載がホームページにありました。
10日で取れそうなものっていうと、車庫証明くらいで、飲食店の営業許可も厳しいくらいです。
建設業許可や農地、申請取次等のお客様の声を載せていますが、日数的に取得は不可能です。
まぁ、この事務所は、行政書士法人ではないのに行政書士法人を名乗っていたり、事務所の代表を行政書士ではない身内にしていたり、権限が無い業務をサービスとして案内していたりと、なかなかな事務所なので特別なケースですが、実際こういう事務所はあります。
「事務所の強み」とかにすれば良いと思うんですが、ホームページを外注したらこうなるんですかね…
経験年数に関しては、前述した「行政書士会員検索」のサイトで行政書士登録日がわかりますし、登録番号でも登録した年がわかります。
例えば登録番号が【26049999】だとしたら、
前2桁が登録年を表していまして、26は2026年に行政書士登録したということになります。
98なら1998年登録ということになります。
ちなみに次の2桁の04ですが、登録した単位会(県)を表していまして、北海道が01、秋田02、岩手03、青森04・・・という風になっています。
行政書士の登録番号は、廃業するまでは単位会(県)を変更しても登録番号は変わりません。
一度行政書士を廃業して再度行政書士登録した場合は、新しく番号が振られることになると思いますが、人数的には多くは居ないと思いますので、基本的には登録番号で行政書士の経験年数は判断できると思います。
業務経験があるか確認する
業務経験の有無については直接聞いた方が良いです。ホームページを見てもわからないと思います。
私は、やったことがない業務に関しては正直に話していますが、仕事が欲しければ嘘をつく行政書士もいると思いますので、どうしても経験者が良ければ深く掘り下げて聞いてみて、知識や経験があるのか判断した方が良いです。
ただ、行政書士業務は幅広いため、経験したことがない業務があるのはしょうがない部分もあります。
新人行政書士に頼まない方がよい業務
許認可や補助金などの業務には、法人税申告書、消費税申告書、財務諸表などを取り扱うものもあるのですが、これらの書類を見た経験がない行政書士に頼むのはやめた方がよいでしょう。
財務諸表に関しては、大部分の行政書士自体が個人事業主なので、自分で作成し、見る機会があるとは思いますが、法人税申告書や消費税申告書に関しては、これまでの社会人経験の中での業務経験によっては、見る機会が無かった人の方が多いと思います。こういう場合は少し厳しいかなと思います。
例えば、経営事項審査を例に出しますと、添付書類で法人税申告書の別表や消費税申告書の写しを添付しますが、一度も見たことがなければ、なんのことやら状態になると思います。雇用保険加入を証明する資料、健康保険加入を証明する資料なども、初めての場合はその書類が合っているかどうか戸惑うはずです。
それでも、こういった初めてを経験しないと業務の幅が広がらないので、行政書士は経験を積んでいかないといけません。私自身もお客様に成長させてもらいながら、色々な経験を積ませてきました。
ただ、お客様側の視点から見れば、急ぎの許認可の場合は頼むべきではないです。また、許認可は要件が整っていれば許可は下りますが、補助金に関して言えば、要件が整っていても採択される(補助金が下りる)かは別の話です。開業したての補助金申請は新人行政書士に依頼するべきではないと私は思います。
誰が業務を担当するか確認する
担当は行政書士なのか、補助者なのか。
行政書士は業務を補助者任せにしてはいけないのですが、特定の分野では補助者の方が知識があったり経験値が高かったりするので、補助者の担当が悪いとは言えません。ただ、補助者に全て任せるのは、行政書士職務基本規則第18条に違反します。
行政書士職務基本規則第18条
(補助者等に対する指導監督) 第18 条
行政書士は、補助者及び事務職員等に対し、常に適切な指導監督を行わなければならない。
2 行政書士は、補助者及び事務職員等をしてその職務を包括的に処理させてはならない。
面談時の人柄を信頼して業務を依頼する場合は、誰が書類を作ったり、窓口になるのかなど、担当を確認した方が良いでしょう。
業務開始時期と終了時期について確認する
いつ頃から業務に着手してくれるのか、いつ頃に業務が終わるのかは確認した方が良いです。
例えば、建設業許可の決算届や経営事項審査は適切な時期に届出や申請をしなければいけませんが、間に合うかどうかスケジュールの確認は必要になります。
私のところに相談しにきたお客様が、「3カ月前に他の行政書士に依頼したが、今日まで何もしていなかった」という驚きの行政書士をいることを教えてくれました。いつから業務に着手し、いつ頃終わるのかは本来行政書士側から言うべきことなのですが、依頼前に確認するべきです。
終わりに
いろいろ書いてきましたが、完全な主観ですので、読まれた方は参考程度にしてください。
私としてはSNSチェックはかなりおすすめです。
安くないお金を払って依頼する行政書士としてふさわしいかどうか判断できると思います。